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日本伝統文化を再定義する「DARUMA ART」by LITTLE ARTISTS LEAGUE

バイリンガルでアートワークショップを開催するLITTLE ARTISTS LEAGUEがDARUMA ARTイベントを開催するにあたり、一般社団法人日本伝統文化協会が後援させて頂くことになりました。
今回は、一般社団法人日本伝統文化協会会長の竹村文禅とLITTLE ARTISTS LEAGUE創始者兼アートディレクターのルミコ・ハーモニー氏の特別対談を掲載いたします。

LITTLE ARTISTS LEAGUEがDARUMA ARTをやるきっかけとは?

竹村文禅(以下Bunzen):こんにちは。この度はイベントの後援をさせて頂きありがとうございます。バイリンガルでアートをするLITTLE ARTISTS LEAGUEを立ち上げた経緯と、そもそもなぜ今回DARUMAをテーマとして選ばれたかをお話いただけますか?

ルミコ・ハーモニー氏(以下ルミコ):2016年に望月実音子と団体を創設しました。そもそも我々国際結婚しミックスカルチャーの子どもを育てているのですが、自分達が欲しいと思ったことが見つからなかったから自分達で作っちゃおう!というのがきっかけでした。我々海外経験もあり、海外の自由なアート制作の環境を英語で子どもに提供したかったのです。言葉もアートも、自己表現の一つです。自己表現をしっかりできるようになれば、豊かな人生を送れるという考えからです。

世界的に有名で我々が興味あるアーティストを学んで、実際に子ども達も作ってみるというワークショップを開催するようになりました。例えば、蓮池で有名なモネやゴッホなどをテーマとして取り上げ、サマーアトリエを開催してきました。そこで再認識したのが、モネもゴッホもみんな日本に影響を受けているのです。モネは庭に日本の橋を作って絵画作品も残しましたし、ゴッホは500点ほどの浮世絵を収集し、太陽の国・日本への憧れから黄色を多用する作品を後にたくさん残しています。

そこで、いよいよ日本の芸術にも迫ってみたいと思うようになり。日本では誰もが知っているDARUMAを学んで自分のオリジナルダルマを作ってみるというのをやってみたくなったのです。しかし、数カ月後にウィンターアトリエ開催が迫っていましたので、しっかりとした知見をお持ちの一般社団法人日本伝統文化協会にご相談できると、日本文化に失礼のない形で開催できるかなと思ったのです。

福島県重要有形民俗文化財とのコラボレーション

Bunzen:今回は福島県の重要有形民俗文化財に指定されているダルマとコラボレーションしたとか?

ルミコ:はい。日本中でダルマは様々な地域で作られているのですが、仕立屋と職人というグループとの出会いが始まりでした。「Shokuninをデザインする」クリエイティブ集団で、職人とタッグを組み伝統 x デザインで次の文化を作っています。福島のデコ屋敷大黒屋とも和紙のジュエリー「harico」を展開していたりと今注目のグループです。

最近は、和紙を粉砕して液体状のものを型に流し込む大量生産の手法もあるなか、大黒屋さんは一つ一つ手作りで非常に質の高いダルマで手にした時感動しました。2016年のLEXUS NEW TAKUMI PROJECTでも和紙で眼鏡を制作されたり、2019年にはFUKUSHIMA PRIDE by JUNKO KOSHINOでコラボレーションダルマを制作されたりもしています。300年の歴史を受け継ぎながらも新しいチャレンジも積極的にされていて。今回も壁面展示をしたかったので、ダルマの半面のお面型をご相談したら、やってみようとチャレンジして頂きコラボレーションが生まれました。

<今回のアートダルマ参加アーティスト一色真由美氏の展示用半面ダルマ制作風景>

今年10月にフィンランド大統領が来日してお会いする機会があったので、大黒屋さんがフィンランドをイメージしたオリジナルデザインのダルマを贈呈したんですよ。

<フィンランドのニーニスト大統領に大黒屋のダルマを贈呈するルミコ・ハーモニー>

Bunzen:おお!ダルマの世界進出!実は、ダルマはそもそも禅宗の達磨がモデルとされています。修行として座禅している姿が今のダルマになっていて、疫病など自分達では解決しにくい事象を極力避けたいと祈りをダルマに込めていった経緯があります。目が入ってない状態で販売され、お願いごとをしながら片目を入れ、願いが成就したらもう一つの目も描くことも多いですね。後にダルマは赤く塗られるようになりました。赤は厄除けの色でもあるんです。

ルミコ:なるほど!今回の大黒屋さんのダルマは、普通より表情が険しく、両目を描いて販売されているのも、そういった厄除けの意味が込められているのかぁと納得です!

また、ダルマの顔は、眉が鶴、髭が亀を表現しているというお話から着想を得て、私は歌舞伎の隈取とダルマの表情をミックスさせた作品にしました。

<蓮獅子達磨-赤-RENJISHI DARUMA-RED-と蓮獅子達磨-白-RENJISHI DARUMA-WHITE- ルミコ・ハーモニー作>
<一般社団法人日本伝統文化協会会長の竹村文禅>

Bunzen:いいですねー。一般社団法人日本伝統文化協会では、様々な日本伝統文化の講座を開催してまして、一年参加すれば一通り日本文化を網羅できるようになっています。先日歌舞伎の音声ガイドの方にお越し頂いて、歌舞伎の楽しみ方講座と実際に歌舞伎に観に行くというのを開催し大好評でした。歌舞伎はハードルが高いと思われがちですが、江戸時代の娯楽ですから、実際鑑賞してみると笑いあり涙ありのドラマや舞とエンターテイメントとして今でも全然楽しめますよね。舞台の穴から飛び出して登場したり、ツケ打ちと言って木を打って音を出すことで、観衆の視点を集中させストップモーションの演出をしたり娯楽の演出技術が素晴らしいのです。

ルミコ:そうそう。歌舞伎の隈取とか今でも斬新で朽ちない本物感があり大好きなんです。だから今回歌舞伎達磨しかないな、と思い制作しました。

伝統のダルマを現代のアーティスト達が再定義するという非常に面白くかつ意義深い試み

Bunzen :この発想には度肝抜かれましたー。でも、いつの時代も伝統は「守る」一方で「革新」していくことって大事なんですよ。日本文化の世界で「守破離」という考え方もあります。守って、破って、離れてこそ、真のものが作れるという。今回のイベントも、伝統のダルマを現代のアーティスト達が再定義するという非常に面白くかつ意義深い試みで、アートの真髄だと思いました。

ルミコ:わー嬉しいです!そうそう。今回たくさんのアーティストにダルマアートで参加していただいたのですが、表現もコンセプトも非常に様々で見応えたっぷりな展示となっています。LITTLE ARTISTS LEAGUEも、モネ達磨、ゴッホ達磨、そして歌舞伎達磨2体に加え、来春3月下旬に東京で開催を予定しているアートイベントのダルマ3体も展示しますので、是非多くの方々にご覧いただきたいです。Inspired by「はなさき山」のコンセプトで、着物や和文化もふんだんに取り入れた総合アートイベントを企画しています。

<モネのサマーアトリエ/ゴッホのアートイベント/8cm達磨の絵付けの様子>

Bunzen:なるほどー。それは楽しみですね。

イベント概要

2019年12月28日(土)29日(日)10時〜16時
象の鼻テラス(横浜市)にて、アーティストの再定義の達磨展示と、自分で8cmの達磨のペインティングができるワークショップをバイリンガルで開催されます。大人の方もウェルカムです。
申し込みや詳細はこちら → https://daruma2019.peatix.com/

今後のイベント開催予定

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