New Yorkで活躍中のJapanese Tea Master 長野佳嗣氏の活動を紹介するChanoyuコラムです。日本を離れ、現代的な感性や表現を取り入れた茶の文化をお届けします! ※オリジナルが英語のため一部英語のまま表記しています。 |
“Otsukimi chakai”
日本では毎年9月に「お月見」と呼ばれる月を見て祈るという古来からの風習があります。月明かりの下の窓に”the tower of rice cakes(お団子)”と芋や野菜などを飾り、今年の豊作に感謝します。
今回は室内の明かりを消して丸い窓を満月に見立てその前に伝統的な飾りが飾られています。お客様には月にお供えする野菜を持ってきていただいたそうです。お茶会はこの飾りの下で開催されました。
“Tsukimi udon noodles”
今回のお茶会では、お月見にちなんで”Tsukimi udon noodles”が提供されました。満月の夜空に浮かぶ満月に似た卵を入れたうどんです。
“Tsukimi udon noodles”をいただくみなさん
”Japanese candles”
その後、和ろうそくを灯してお茶が点てられました。
和ろうそくでのお茶会
The theme is the moon!
この度の道具の取り合わせも月見にちなんだものばかり。 茶碗は月の表面を思わせるゴツゴツした大ぶりのものを、棗は星柄、蓋置は竹を模したものが使われています。丸型の水差は、その奥に置かれた和ろうそくにより、お正客さんから見ると輝く月のように見える仕掛けだそうです。 海外の方にもわかりやすい道具組みが面白いですね。
ススキやお団子、お着物のお客様といいNew Yorkとは思えませんね。
”The next theme for October.”
次回のテーマは「菊」です。
日本では秋に菊を鑑賞する風習があり、長寿祈願として1000年以上も前から行われてきた伝統行事があります。
長野氏の最新活動情報は、こちらのWebページをご覧ください。 オンラインで世界に向けて発信する取り組みも行われています。
長野 佳嗣(Nagano Yoshitsugu) 茶道家 武家茶道上田宗箇流 正教授 伝統的な茶道を習得する一方で、茶の湯に現代的な感性や表現を取り入れたスタイルを確立。 2019からは拠点をニューヨークに移し活動している。 主な活動に広島被爆70周年記念事業 平和記念公園茶会(2015年)、White Scape 茶会(2017年)など。 https://www.y-nagano.jp/ |