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能からのメッセージ「嵐山」(あらしやま)

自粛期間中、宝生流シテ方 佐野登師が能の演目の解説を日々発信してこられました。「能」が発信するメッセージを少しでもお伝えできればとコラムにさせていただきました。


木守の神と勝手の神

大和国吉野の桜を都の西の嵐山へ移植し、その様子を調査する様に帝から仰せつかった臣下は老夫婦と出会います。老人は、御神木である吉野の桜を移したのだからこの嵐山の桜も御神木であるから礼拝しているのだと言います。そして吉野から、木守(こもり)の神、勝手(かつて)の神が時折訪れ、その神の力で風に吹かれても花が散らず美しく咲くのだ、その二神こそが私達夫婦であると告げ消え失せます。

蔵王権現

夜になると、木守の神、勝手の神、蔵王権現が現れ、人々の苦しみを助け、悪魔を払い、国土を守ると告げ、花に戯れ春を寿ぐという演目です。
※蔵王権現:吉野山中の金峰山寺の本尊。日本独自の仏。

メッセージ

先ずは信じ祈り願う事が大事ですね。その為に謙虚に知識を身につけてれば、物心必ず良くなる、というメッセージがこの曲の根底にあります。ただ不平不満を言うのではなく、今やるべき事の見定めができる、学び、経験、教養が必要ですね。

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ご紹介

能楽師・佐野登師は、能楽師として第一線で活躍する一方で、能を使った教育や地域活性化の取り組みを精力的に展開されています。小山龍介氏との対談『佐野登の能からのインスピレーション』でも興味深いメッセージを発信されています。

佐野 登(さの のぼる)
能楽師シテ方(宝生流)
一般社団法人 日本能楽謡隊協会 代表理事
重要無形文化財総合指定(能楽)保持者。(社)日本能楽会及び(社)能楽協会会員。
https://www.facebook.com/nohgaku/

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