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歴史から紐解く香道の神髄~香道事始め~

古くから伝わる日本文化としての香道について学びを深めていく回がJCbaseでは好評で、四回目となりました。 お香会で使われる香炉の中の灰の形は、どうやって作られているのだろう?と思った事はありませんか。 以前好評でした香炉の灰をつくる体験も楽しみました。

講師

志野流香道柏教場主宰 今泉 房子先生: 志野流香道 を通じて日本文化の素晴らしさを伝えています。書も日展に入選されるほどで、やさしいお人柄が伝わる文字で、香席での和歌はみなさんの楽しみの一つとなっています。

「 志野流香道」とは、足利義政の近臣であった志野宗信を流祖に仰ぐ、我が国最大の香道流派で、歴史は500年に及び現家元蜂谷宗玄まで20世紀に亘り一度も途切れることなく香道を継承されています。

教養と供に興じられた香道

香道の発端は、595年淡路島に香木が流れ着き神仏献香されたと日本書紀に残されています。753年に鑑真和上が来日し、練香と呼ばれる炭に蜂蜜などを混ぜたものが用いられるようになりました。1192年鎌倉幕府が制定され、源頼朝が征夷大将軍に着任して以降は、香炉を用いて愉しまれるようになりました。

神仏の宗教の世界で香りを興じられるようになり、次に宮廷世界で広がり、鎌倉時代には武家屋敷で愉しまれるようになったとおり、権力の変化と供に香りの形態も変化しました。

香席とは、出題者(席主)が複数の香りを織り交ぜて、参加者がその香りを当てるという出題形式の会となります。 出題者は、中国の思想や古今和歌集などの文脈を編み込みながら、出題に一つの意図を練りこみます。出題が全て終わった後には、出題者が一句詠みます。遊びではありますが、様々な読み聞きした教養を用いて成立した組香は知的なものであり、一般庶民ではなく限られた上層部のみで愉しまれたものでありました。

香炉づくり

①灰の中に香炭団を入れる

② 香炭団に灰を山型にかぶせる

③山の頂点から香炭団へ空気の道を作る

④銀葉、香木を載せて完成

今回は中でも、香炉を作るお道具を使って具体的に炭をどのようにデザインするのかの手ほどきを頂きました。作法として、作業を始めるのが手前の時計の6時の位置であったり、9時の位置であったり、その脈々と流れる歴史によって確立された全ての所作が美しい香席であることに感動しました。

先生が丁寧にご指導頂き、素人と先生の違いが如実に見て取れてしまいました
元々は男性も興じていたので、今回男性の参加者が多いのも今泉先生が感動されていました

【過去の開催の様子】
2018年12月2日(日) 「志野流香道聞香席」を体験
https://jcbase.net/report-20181206/

2019年2月8日(金) 香道でほっこり時間『お香を知らナイト』
https://jcbase.net/report-20190208-2/

本日のお菓子

叶 匠壽庵「あも 歌留多(かるた)」

「かるたの聖地」と称される近江神宮ゆかりの百人一首の絵札を最中種のモチーフに。代表銘菓「あも」をカットして頂き、はさんでお召し上がっていただく、見た目にも楽しい手作り最中です。

書いた人

ルミコ ハーモニー
アーティスト。世界の様々な芸術に触れるにつれ、如何に日本の芸術が世界に影響を及ぼしているのかを実感。2019年末に「アートだるま展」を主催した際に、一般社団法人日本伝統文化協会の後援をきっかけに、日本伝統文化を学び始めた一年生。
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