東京オリンピックを控え、日本の文化に対する国内外から関心が高まる中、日本独自の文化が花開いた江戸にも今多くの注目が集まっています。その江戸の文化を、類まれな表現力と技術で生き生きと描き残し、今に伝え、世界中から高い評価を得ているのが「浮世絵」です。この浮世絵の世界には、江戸の風俗史として「日本の食」が度々描かれてきました。「和食」が無形文化遺産へ登録され注目を集める昨今の流れも受け、「浮世絵」と「食」を掛け合わせたオリジナル展覧会『おいしい浮世絵展 ~北斎 広重 国芳が描いた江戸の味わい~』が 2020 年 7 月15日より六本木ヒルズ森アーツセンターギャラリーにて開催されます。
本展では、描かれた食のシーンを追いながら、食を描いた浮世絵そのものの魅力と、現代のくらしにもつながる 江戸の食文化を紐解くと同時に、実際に当時どのような料理法が存在したのかについても、再現料理の写真や レシピの解説を通じて紹介され、見逃せません!
浮世絵に描かれた食の風景
季節に伴う、江戸らしい料理として、代表的な「すし」「うなぎ」「天ぷら」「そば」。これらは浮世絵のなかにも度々、 登場します。四季折々、江戸っ子が楽しんだ食材と料理法が紹介されます。また食事を楽しむ人々、四季の行事を 準備する人、日本橋の魚河岸や品川の屋台の風景など、食を求めて人々が集まる情景も描かれてきました。暮 らしのなかで、食を楽しむ風情も紐解けます。
名だたる浮世絵師たちも描いた「江戸の食」
葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳など、現代でも人気を博す名だたる浮世絵師たちの多くも、江戸の食の風景を描いています。ヨーロッパの画家たちにも多大な影響を与えた「北斎漫画」は江戸の庶民の日常風景をユーモラスに活写する中で、食を楽しむ人々の姿も描いています。江戸・日本橋から、京都・三条大橋まで、東海道の宿場町を描いた広重の連作「東海道五十三次」も、その土地の食材や名産を彷彿とさせる描写を通じて、当時の人々を楽しませました。鮮やかな色彩で描かれた国芳の数々の名作の中にも、食を前にして生き生きとする人々 の姿を見て取ることができます。これらの作品に留まらず、本展示を通じて、浮世絵師たちが見つめた様々な食の風景が観覧できます。
江戸の食文化を盛り上げた料理書と現代に通じる技の数々
本展では、現代のレシピ本にあたる『豆腐百珍』などの料理書や、名物料理屋を紹介する江戸版ミシュランガイ ドとも言える『江戸買物独案内』などの料理関連の古文書も浮世絵と共に展示。そこに記された記録を元に、実際に当時どのような料理法が存在したのかについても、再現料理の写真やレシピの解説を通じて紹介されます。更に、江戸時代より現代に継承される老舗料理店の職人の技もご紹介。描かれた食のシーンを追いながら、浮世絵そのものの魅力をお伝えするとともに、江戸の人々が食生活に取り入れた実用書や、今に受け継がれる当時の食の工夫が込められた老舗の技、作品に描かれている料理の再現写真を通じて、江戸の台所をより立体的に追体験できます。
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