落語の起源をご存知ですか。
なんと戦国大名の傍に仕えた”御伽衆(おとぎしゅう)”が噺家の元祖―と、落語芸術協会ウエブサイトにあります。浄土宗の僧侶 安楽庵策伝(あんらくあんさくでん)は、豊臣秀吉公に滑稽なオチのつく”噺”を披露してたいへん喜ばれていたそうで。
暦の上では立冬とはいえ、お日さまの明るく眩しい日曜日の国立演芸場にて、NHK教育TV『落語ディーパー! 〜東出・一之輔の噺のはなし〜』に出演中の柳亭小痴楽師匠 真打昇進披露。
五代目柳亭痴楽の次男として生まれ、16歳の初高座から寝坊癖を理由に破門寸前など、数々のしくじりエピソードも強烈な小痴楽師匠がついに、落語芸術協会では15年ぶりの単独 真打昇進!
「落語へは行ってみたいけれど、独りではちょっと……」と躊躇していた皆さまで集まり、なんと総勢18名の大所帯! 国立演芸場に席をご用意いただいて、わくわくしながらこの日を迎えました。
演芸場の方からも「高座中でなければ、お席での飲食もどうぞ」とご案内いただき、「相判った。歌舞伎の幕間と同じやも!」と合点承知、「弁当、おやつ、飲み物持ち込みは必ず!」という号令のもと、手作り豪華三段重や、三友居のひさご弁当、地雷屋の月小箱、またお洒落にブーランジェリーのパン、気軽におにぎりやサンドイッチも持ち込まれました。みんな大人だから、食も本気出すよ。
一般社団法人 日本伝統文化協会 副会長のMAO先輩よりお菓子も配られ、それぞれでもシェアしたり。会場は満員御礼! 気分はどこまでも揚がる~。
写真撮影などで席に着くまでワチャワチャしていたら、前座の三遊亭馬ん治さんが早くもスタート。
「噺家さんと目があってるんじゃ……」との言葉まで出るほどの、とても良い席。
詳しいそれぞれの演目は下の写真をご覧いただききたいのですが、とにかくどれも楽しくて。声を出して笑うなど、社会人になるとなかなか機会がないものですが、もういちいちドッカンドッカンきてました。全員。またそれがお互いに可笑しくて、さらに笑い合う心地良さよ。
申し訳なかったのは、皆で楽しくお食事しようとしていた仲入りが10分(笑)しか無かったこと。これまで拝見した独演会や二人会ではもう少し時間があったのだけれど、まさかの10分1回のみ。良くわかってなかった。リサーチ不足で相済まぬ。
それでも一気にガツガツいったし、ひとのお弁当まで手を出して海老も貰った。しかし持参した温かいお茶を振舞ったり、お菓子の食べ比べは、ちょっと無理で。無念でござる。
お待ちかねの口上は、司会に三笑亭夢花師匠、三遊亭遊雀師匠、柳亭小痴楽師匠、柳亭楽輔師匠、桂米助師匠の並び。他の師匠が話していてもツッコミを入れたり、罵倒や文句。柳亭小痴楽師匠自身から「大喜利じゃないんだから」のクレーム。自分たちで笑っちゃって、自由過ぎ。故 桂歌丸師匠や三遊亭小遊三師匠など、多くの重鎮方に可愛がられてきた愛されキャラであることや、将来は六代目痴楽襲名が期待されるお話も。
トリの小痴楽師匠『佐々木政談』 うぇーい! 「近い、近い、近い!」
トリは柳亭小痴楽師匠の『佐々木政談』。待ってました! たっぷり!
嘉永年間、江戸南町奉行 佐々木信濃守がお忍びで新橋竹川町を見廻っていると、子供たちがお奉行ごっこを始めて……という噺。モデルとなった佐々木顕発は大出世したお奉行さまで、谷中霊園に眠っておられます。
江戸の長屋が目に浮かぶような、小痴楽師匠の気風の良い江戸っ子ぶり。桶屋 高田屋綱五郎の、息子四郎吉へのツッコミが笑えて良いよな ー。「御前裁きだよー(涙)」の台詞など、ぜひ実際に聞いていただきたいわ~。
ちょっとサゲ(オチのことです)が理解できなくて、内輪で答え合わせしたりしたのは、内緒。「勝利は四郎吉、意図の如し」は、師匠の独創なのでしょうか。
終演後は小痴楽師匠がロビーへ出ていらして、本にサインをなさったり、記念写真に応じてくださって。MAO先輩のナイスな働きで、写真をご一緒しました! 撮られながら「近い、近い、近い!」と嬉しい悲鳴。師匠、可愛ゆす。着物がお好きで着道楽な、お洒落ぶりからも目が離せません。
観覧を終えての笑顔 ご参加ありがとうございました!
興奮冷めやらぬまま「楽しかった~」と口々に、ほっとした表情で最後の記念撮影。長時間だったにもかかわらず、感覚としてはあっという間で、物足りないくらい。「また来たいねー」「次は小痴楽師匠の独演会もー」との声に、嬉しい気持ち。本当に気持ちよく、楽しいひとときとなりました。
ご対応くださった落語芸術協会の皆さま、国立演芸場の皆さま、そして師匠方、柳亭小痴楽師匠、ありがとうございました。真打へのご昇進、心よりお慶び申し上げます。
また皆で伺いましょうね。
落語未体験の方はぜひ、次はご一緒にいかがですか? きっと楽しくて、嬉しくて、笑っちゃうから!
可愛い過ぎ 撮影: 橘蓮二氏
お洒落さん! 襦袢の衿の色や羽織紐を見て~
【柳亭小痴楽師匠のご紹介】
平成17年(2005年)10月 16才 二代目桂平治(現:桂文治)へ入門
平成20年(2008年) 6月 父 五代目柳亭痴楽門下へ「柳亭ち太郞」と改める
平成21年(2009年) 9月 父 痴楽没後、柳亭楽輔門下へ
平成21年(2009年)11月 二ツ目昇進 「三代目柳亭小痴楽」襲名
令和元年(2019年) 9月 真打昇進
紋:蔓結び片喰
出囃子:将門
趣味:大の読書好き・心霊スポット巡り・映画鑑賞・スポーツ鑑賞(主にバスケットボール・サッカー)
好きなもの:洋服・和服・都市伝説・お酒・煙草
所属協会:公益社団法人 落語芸術協会
小痴楽 (@kochiraku) | Twitter
柳亭 小痴楽 公式