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旅がらすの日曜日 ~社寺修復塗師の街並み散策日誌~ 愛知県 半田市(中編)

旅がらすの日曜日 ~社寺修復塗師の街並み散策日誌~ 愛知県 半田市(中編)

文化財・社寺修復を手掛ける塗師の旅がらすによるコラム長期連載です。シリーズタイトルは「旅がらすの日曜日 ~社寺修復塗師の街並み散策日誌~」。様々な季節、日本各地の街並みを探訪、古の遺構にも目を向け、社寺修復塗師ならではの視点で綴っていきます。肩の力を抜いてお楽しみいただければ幸いです。

蔵と運河のミツカン王国 ―愛知県半田市―
江戸の面影に浸り、立派なミツカン本社ビルを横目に運河沿いを北上すると、旧中埜半六邸や清酒國盛の醸造元である旧中埜酒造と、中埜家の息のかかった建物は続く。

少し丘側にはミツカン現会長の邸宅や明治の薫りを残す旧中埜家住宅がそびえる。現中埜家は一見庭園美術館と見紛う程の大邸宅。かつては中埜銀行までやっていたというから驚きだ。

ここまで来ると、まさに町全体が酢に浸かっているかのごとく、やはりミツカンなしではこの町は語れない。トヨタ本社があるのは豊田市トヨタ町というが、池田市ダイハツ町(大阪府)や小野田市セメント町(山口県)なんて町があるくらいだから、ここが中埜市ミツカン町になっていても何らおかしくない。ほんのり酢の香りが漂う、風情ある町なのだ。

ミツカン町から再び丘に向かい、かつての海岸沿いの道と思われる紺屋海道を目指す。紺屋とは船の帆を染めた染物屋が数件あったことに由来するとある。

趣のある海道を北へと進んでいると、右手海方向は一段下がり、左手丘側はさらに上がっていることから、まさに海岸段丘の段丘面に立っていることを実感する。現在の海岸線から数キロも陸に入った太古の海辺の様子が目に浮かぶ様だ。この辺りは堀崎町というがこれもまた、近くの津島神社等と共に海を連想させる。さらに海道脇の海照山薬師寺というお寺に、寺の前まで打ち寄せられた波にお堂の影が映った当時の様子の描かれた絵馬があるらしいのだが、今回は確認出来ず。

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