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旅がらすの日曜日 ~社寺修復塗師の街並み散策日誌~ 岡崎(後編)

旅がらすの日曜日 ~社寺修復塗師の街並み散策日誌~ 岡崎(後編)

文化財・社寺修復を手掛ける塗師の旅がらすによるコラム長期連載です。シリーズタイトルは「旅がらすの日曜日 ~社寺修復塗師の街並み散策日誌~」。様々な季節、日本各地の街並みを探訪、古の遺構にも目を向け、社寺修復塗師ならではの視点で綴っていきます。肩の力を抜いてお楽しみいただければ幸いです。

愛知県岡崎市。
かつての土居、堀の石垣の名残やそれに伴う微妙な勾配、段差があちこちに確認出来る。かつての堀の石垣を補修したものの上に普通に民家が建っている。一見見過ごしてしまいそうだが、通常考えられない段差なのである。江戸、明治、昭和の石垣が連なっている様なところもあった。

御旗公園と二七市通り(ふないちどおり)は完全に堀跡かその堀端に見える。堀端にはやはり染物屋がある。

唐弓弦という古い看板の残る家。唐弓弦とは特産であった三河木綿の綿打ちに使う道具だそうだ。
この材木町、肴町界隈も吉政の都市改造によって出来た、職人,商人の町である。そして、東海道二十七曲り沿いの常夜燈も各所に見られるが、完全に街の雑踏に埋もれている。

城郭への東の中央口、籠田総門に至っては、かつて門があったであろう場所にはマンションと駐車場しか見当たらない。その近く、籠田公園地下駐車場の出入口付近に気休め程度の石碑が立ち、すぐ後ろはゴミステーション、という潔い埋もれ具合である。 戦後復興に伴う産業発展を否定することは出来ないが、それと引き換えに消してしまった過去の遺産はもはや取り戻すことは出来ないだろう。今は今。文具屋さんでも刃物屋さんでもジャズが流れている。そんな今の岡崎は嫌いではない。かつての中心地は若干廃れた香りも漂うが、何やらにわかに活気付いているスポットもあったりして、独特な空気感を醸し出している。これからの岡崎に期待しつつ、遺構探しを続けてみようかと思う。

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