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新作能「伽羅沙(ガラシャ)」

新作能「伽羅沙(ガラシャ)」

能に関する知識はわずかですが「伽羅沙(ガラシャ)」という演目に惹かれ、国立能楽堂へ観劇に行ってまいりました。
私の知っている「ガラシャ」の情報は…。
明智光秀の娘の玉子はキリシタンで洗礼名が「ガラシャ」。細川忠興に嫁ぎ、織田信長に対する父光秀の反乱で逆臣の娘として幽閉される。その後関ケ原の合戦で石田三成の人質となるのを良しとせず、最後は自害の道を選ぶ…。ただ、自害と言ってもキリシタンのため自ら命を絶つ事はできず、家老・小笠原少斎の介錯で37歳の人生を閉じる事になる。
このレベルでも十分に楽しめる演目でした。

「第5回 紀彰の会 伽羅沙 GARASHA 日仏交流160周年」
今回は新作能という事で、古典能とは少し違う演出でした。
日仏交流160周年記念講演として、透き通った少年たちの合唱と駐日フランス大使Laurent Pic氏演ずるジラール神父のお言葉で始まり、厳かな雰囲気を感じました。フランス大使も神父の黒い祭服ではなく、刺繍の施された能の装束に足袋のお姿。舞台ではもちろん独特の摺り足で、心の中で「おぉぉぉ!」と言ってしまうほど引き込まれていきました。

圧巻だったのは、梅若紀彰師演ずるガラシャと、角当直隆師による高山右近との舞。この二人は現実の世界では面識がないという解説が、脚本及び細川家侍従として語りをつとめた、人間国宝 山本東次郎師よりありました。それ故か時代をタイムスリップした様な異空間を感じる事ができました。
最後に、ガラシャがそれはそれは美しい衣をまとい、少年たちの合唱に合わせた舞は心が洗われるようでした。様々な所作によって動く衣にガラシャの無念や悲しみ、喜びなどの心理を想像させられ、今でも脳裏に焼き付いています。

新作能の後、能楽研究者の増田正造師、山本東次郎師、梅若紀彰師による「伽羅沙よもやま話」が行われました。演目を振り返ると楽しさも増し、また少しガラシャを知れたような気分になりました。
終演後、レセプションで梅若紀彰氏と、ご一緒した6名でお写真を撮らせていただき、大変楽しい時を過ごしました。

書いた人

MAO
日本文化大好きリケジョ。
武家茶道上田宗箇流、仕覆制作、飾り紐、組紐などの手習いや自宅のベランダで茶花を育てる。
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